睡眠と疲労の方法論

土日に寝だめをしても効果はない

一週間睡眠不足でも週末の土日でたっぷり睡眠を取っておけば大丈夫、と思ってはいませんか?溜まった疲れやこれからに備えてたっぷり眠る、いわゆる寝だめに効果を期待している人は多いと思います。しかし実は寝だめはあまり効果がない、場合によっては逆効果にもなりえるのです。

人はなんとなく睡眠を「暇なときに貯めておいて、忙しい時には切り崩して使える」貯金のようなものと捉えがちです。寝だめという言葉もそういう睡眠の貯金感覚があるからこそ生まれた言葉です。

しかし睡眠は余分に眠って貯めておいたり、減った分をたくさん眠って埋め合わせるような事は出来ないのです。誰もが土日にたっぷり眠っておけば明日の月曜日からの仕事や一週間の溜まった疲れを取ることができると考えてしまいがちですが、それは間違いなのです。

一体なぜ寝だめはできないのでしょう?

脳を休ませるには寝るしか無い

「起き続ける」というのは、あまり意識しないかも知れませんが脳にダメージを与えます。睡眠は脳という器官を休ませるために必要不可欠な習慣だという事はみなさんもご存知だと思います。

例えば人間の体は活動中に様々な栄養を消費し、老廃物を生み出します。ジョギングをすることをイメージしていただければわかりやすいと思いますが、人はジョギング中筋肉中のグリコーゲンを使用し、酸素や脂肪を燃焼させて血糖値を高めて全身を動かします。

時間が経過すればするほどエネルギーは消費されていき、疲労も溜まっていきます。脂肪を分解し代謝するために内蔵も活動させますし、体を動かす事で筋肉中に乳酸も蓄積していきます。

脳の場合も同様で、脳で消費されたブドウ糖や脳内ホルモンの残りカスなどの老廃物が蓄積していきます。老廃物は単に蓄積するだけではなくシナプスの連絡をする邪魔になると同時にダメージを与えます。脳も筋肉と同様に休ませて回復させる必要があるのです。

体であれば動かずにいればそこそこ休憩も出来ますが、脳みその場合動かさないようにするには眠るしかありません。

疲れた時に体を動かしたくなくなって横になったり椅子に座って体を休ませるように、脳が疲れた時には睡眠によって休ませなければならないのです。

寝だめでは脳の老廃物はとれてもダメージはとれない

寝だめが無意味だということの理由がわかってきたと思います。睡眠によって脳の老廃物の除去をすることは出来ても、日常的に老廃物が蓄積しているとそれが脳にダメージを与えるのです。そして脳のダメージを回復させるにはたまに睡眠をまとめて取って老廃物を除去しても、回復し切る前に再び睡眠不足の毎日を過ごしてはちょっとした掃除くらいにしかなりません。

平日を通じて蓄積したダメージをたまの寝だめで回復させようとしても、たった土日の二日間まとめて睡眠をとったところで脳の神経自体がダメージを受けているために無意味なのです。

また日曜日の夜に月曜からの一週間に備えて早めに寝たとしても、ちょっと余分に脳のクリーニングをする以上の事は出来ません。

脳の受けたダメージが回復するには時間がかかります。普段から蓄積しているダメージを回復させるには、十分な睡眠がとれて頭から老廃物が取り除かれた状態で継続的に数週間単位で過ごす必要があります。普段の睡眠不足で低下した認知機能はたまの寝だめ程度では復活しないのです。

繰り返しになりますが、脳のパフォーマンスを高い状態に維持するためには普段から睡眠をしっかりとって睡眠不足による認知機能へのダメージを防ぐ必要があります。

寝だめをするくらいなら、寝だめをする時間で仕事を済ませておいて平日に少しでも多く寝る方がよっぽど効果的です。もっとも気分的にはたくさん眠ってスッキリするのは爽快ですし、普段の睡眠不足なほど眠るのはとても心地よいことなので休みの日の過ごし方としては悪くないとは思います。

しかしライフハック的な視点から寝だめをしようと思うのであれば、土日の睡眠時間を削ってでも平日に多く寝る事をおすすめします。

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