睡眠と疲労の方法論

睡眠負債を返済するには時間がかかる

睡眠負債とは睡眠の不足が常態化して脳がダメージを負っている状態です。普通の睡眠不足との脳を元の状態に戻すまでにかかる期間です。

通常の睡眠不足程度あれば一晩しっかり眠れば目が覚めた頃にはほぼ認知機能や疲労感などは健康な状態に戻ります。しかし睡眠負債と呼ばれる状態にまでなると、一晩しっかり眠っても認知機能は低下したまま、疲労感や眠さといった症状も残ったままで一度では十分に回復しきりません。

睡眠負債が溜まっている状態はただの寝不足と違い脳がダメージを負っているため、一日二日程度の寝だめ睡眠では脳が回復しきらないのです。睡眠負債を返済する唯一の方法はきちんとした睡眠を毎日とるようにするしかありません。

睡眠負債とは?

睡眠負債=寝不足により脳にダメージが蓄積した状態です。

健康な状態であれば、脳は睡眠時にCSF(脳脊髄液)と呼ばれる液体により蓄積した老廃物を掃除すると同時に日中の活動で披露した神経を休ませます。いわば日中の活動で汚れを掃除し、受けた傷を修復しているのです。

つまり脳から見れば、睡眠は一日の活動で受けたダメージを修復するために大切な時間なのです。

正常に睡眠を取る生活を送っている人であれば、一日に脳が受けるダメージを毎晩の睡眠によって修復できているため問題は起きません。

また多少睡眠が不足していても、脳は寝だめは出来なくても睡眠による回復は早いという特徴があるためちょっと長めに寝れば多少の睡眠不足であれば一日で回復出来ます。

一度に返しきれないほど睡眠不足で脳がダメージを受けた状態

では一日で返しきれないほどのダメージを脳が受けていた場合はどうでしょうか?

実はこれが「睡眠負債が溜まっている」と言われる状態なのです。

いくら睡眠によって脳は修復するといっても、それには限度があります。長期間にわたって睡眠が不足した状態が続くと一日や二日程度睡眠をしっかりとっても返しきれないほど脳にダメージが蓄積してしまうのです。

数日の睡眠程度では返しきれないほど睡眠の不足が溜まっている状態が睡眠負債の正体です。

こうなると週末にしっかり眠れば大丈夫・・・ではありません。数日しっかり寝ても認知機能が低下したまま治りません。ケアレスミスが増えたり記憶力が衰えたり、感情のコントロール効かないなどといった症状が続く事になります。

睡眠負債の状態になった場合、根本的な睡眠の習慣を見なおさない限り治りません。一時的に睡眠を増やす生活を送ったとしても、元の睡眠習慣に戻す限り必ず再発します。

これは借金がある人がたとえ頑張って一時的に借金を返しても、以前と同じ収入以上の生活をすると必ずまた借金が出来てしまうことと同じです。根本の睡眠習慣を変える必要があるのです。

睡眠負債を予防・改善するには

一番良いのは睡眠時間を増やすことですが、ほとんどの方は仕事や生活上必要に追われて睡眠が不足していると思うのでそれは難しいでしょう。

時間を増やす事は難しいと思うので、ここでは睡眠の質を向上させる提案をしたいと思います。

睡眠負債を防ぐための提案は2つあります。一つは睡眠環境の見直し、もうひとつは朝晩の過ごし方を変えることです。

睡眠環境の見直し

寝具や照明・音等をより適した環境に見なおしてください。例えば枕はとても重要な寝具です。頭にあった枕とそうでない枕では驚くほど睡眠の質が違います。寝ていて首の座りが悪いという方はまずは今と違うタイプの枕に変えてみる事をおすすめします。

また寝具ではパジャマも重要です。眠るための服だけあって機能性が全く違います。枕・パジャマと比べマットレスはそれほど劇的な効果はないので優先順位は低いです。

また照明ですが、おすすめは豆球です。完全な真っ暗ではなく豆球程度のうす〜く周りが見える程度の明かりがあるとグッドです。

音もできるだけ減らしましょう。テレビ・ラジをつけっぱなしは論外です。睡眠の質が下がります。音は完全にないよりは遠くを走る車や風などの雑音がほどほどに聞こえる方が良いでしょう。

朝晩の過ごし方

睡眠の質を高めるには適切な睡眠のリズムを保つ必要があります。そのためには体が朝と夜のスイッチをしっかり切り替えられるようになる必要があります。

朝のスイッチを入れるためには、朝起きたらすぐに日光をしっかり浴びるのがベストです。日光は睡眠リズムを司る脳内ホルモンメラトニンの分泌リズムを調節する働きがあります。朝起きてしっかり朝日を浴びることで睡眠のリズムが矯正されるのです。

睡眠リズムを治すために日光を浴びる時間の長さですが、一分も顔に浴びれば十分です。朝は朝日を一分浴びましょう。

夜の過ごし方ですが、できればアルコールを避け寝る1時間前からテレビやパソコンといった目への刺激を避けてください。

ただこうした事が毎日の楽しみになっているのでそれをやめるのは辛いという方もいると思います。なので、そういう方は柔軟体操をおすすめします。

柔軟といっても特別な事をする必要ありません。ゆっくり深呼吸しながら適当に屈伸なり伸脚なりを数分行ってください。大切なのは神経を沈めて睡眠にスムーズにはいる準備をすることです。

手足の筋が伸びてリラックスした、呼吸がゆったりして緊張がほぐれた、と感じられればそれで十分です。 睡眠のON・OFFスイッチをしっかり入れる事で睡眠の質は向上します。

まとめ

以上のように睡眠負債を予防するためには普段からの睡眠の不足をできるだけ溜めないようにすること、睡眠負債を治すためには一時的な寝溜めではなく根本的な睡眠の見直しが必要です。

日々の生活上睡眠時間の確保が難しい方はせめて睡眠環境の見直しや朝晩のちょっとした過ごし方を変えて睡眠の質を高める事で不足を補う事が出来ます。

睡眠の不足は一時的なものであれば問題はありません。ですが、不足が常態化すると脳にダメージが蓄積し睡眠負債となります。

睡眠負債はただ辛いだけでは済まず、仕事や学業や人間関係にまで悪影響が及びます。できるだけ早い段階で気付きとれる範囲で良いのでなにか睡眠対策をするようにしましょう。

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